現代を生き抜くための仕事術ハッキング

慶應義塾卒・マンツーマン型塾講師3年の経験から受験生と就活生・若手社員に役立つ情報発信を目的としています。

小説「何者」から読み解く効率の良い就活②

以前に書いた記事に続き、朝井リョウさんの小説「何者」を題材に、就活市場の分析を行っていきたいと思います。

小説の内容というよりも、そこの出てくる登場人物を通して効率の良い就活をするにはどうするべきかを考えていきます。

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小説「何者」について

あらすじ紹介は前回の記事に書いてますので、ぜひこちらをお読みください。

 

startingles.hatenablog.com

 

昨今の就活の内容と大学生特有の焦りや嫉妬心をうまく表現しいて本当におすすめの作品ですよ!

 

前回は主人公の拓人と意識高い系の理香に焦点を合わせて分析していきました。今回はそのほかの主要キャラについて見ていきましょう。

 

サークルに邁進「神谷」

二宮の友人で、ルームシェアをしている大学生。社会学部。学生時代はバンド活動に注力していた。性格は明るく、コミュニケーション能力が高い。(何者 (朝井リョウ) - Wikipedia

さて、文系就活市場では学問についてはあまり評価されず、テニスサークルやバンドサークルに精を出しているようないわゆる明るいキャラが評価をされるというイメージが有りかと思います。

これ、全く事実と異なります。 

サークルやバイトに全力を出したことも評価されるというのは、間違いではありませんが、私が就活を行っていた時は程度の差はあれ、「ゼミではどんな勉強やってきたの?」「大学の授業では何が好きだった?」など勉学に関する質問もほとんどの企業で聞かれました。昔は頑張るのは大学受験までで、大学生は遊びを充実させなさいという謎な風潮が確かにあったようですが、最近は企業側も学生に対してそれなりの勉強を期待しています。

ただ、勉強一筋でがんばってきました!というのもあまり評価はされません。なぜなら、文系の総合職の多くは営業職だからです。営業で大事なのはお客さんとの関係性作り、すなわちコミュニケーション能力です。残念ながらゼミナールや日々の勉強では、議論やディスカッションの力は磨けてもコミュニケーション力を磨くことは容易ではありません。前者で求められるのは論理性ですが、後者に求められるのは協調性です。

小説の中でもそうですが、神谷はかなり就活市場で評価されています。それは神谷がサークルを頑張ったからではなく、一つのことに熱中できる情熱と、それを続けていく過程でコミュニケーション能力を伸ばしてきたからです。

今の学生に求められているのは、勉強もバイトもサークルも全部頑張ってきた子です。

 

米国インターンシップの田名部

二宮の片思いの相手で、小早川の友人。社会学部。光太郎に片思いしており、一度告白して振られている。米国でインターンシップを経験。5人の会話の中ではどちらかというと聞き役。何者 (朝井リョウ) - Wikipedia

誰もが羨むスペックですね。留学そして現地でのインターン経験なんて。正直今はインターン経験はかなり優遇されます。というのも、やはりインターンといえど、一度企業の中で就業体験をしているというのは、自然と面接でも自分なりの意見をしっかりもって話せるからです。インターンについては別の記事で書いてますので、そちらもぜひ見てください。

 

startingles.hatenablog.com

 また、インターンがバイトとは違って美味しいのは、社会人のコネ・つながりができることなんですよね。自分の進路も当然そうですし、業界内の企業分析などはネットで調べても限界があるし、どうしても薄っぺらくなってしまうんですよね。

なので一番手っ取り早いのは実際にその業界で働いている人に聞くことなんです。インターンで数ヶ月働いていると必然的に社員と仲良くなるし、そこから人づてでどんどん輪が広がるんですよね。

 

神谷や田名部に負けないためには

神谷みたいに自分でこれだけは頑張ってきた!と胸を張って熱く語れるものを用意したほうがいいですが、そんなの今更言われても、、、という方は卒業論文を語りましょう。卒業論文は基本的に就活が終わってから書くことが多いと思いますが、まだ本格的に手をつけていないからこそ、どうとでも言えるのです。そして、専門分野の剣キュなんて、他人からしたら入口の部分ですらほとんどわからないので、普通に説明していれば、「あ、頑張って勉強しているんだな」と勝手に思ってくれます。

 

田名部に負けないためには、こちらもとにかく人脈を増やすしかありません。ただ今からインターン・・・と思う方もいると思いますし、時間も限られているかと思いますので、インターン以外の方法を考えましょう。

一番簡単なのはOB訪問ですね。ゼミやサークルでつながりがなくても、今は肉リーチなど恵まれたツールがいっぱいあるので、使わない手はないです。学生側にはデメリットほぼゼロですからね。 

OB/OG訪問なら、インターンだけでは分からない企業の情報が手に入る。
実際にその企業で働いている先輩の話を聞いて、あなたの行きたい理由を見つけよう。