現代を生き抜くための仕事術ハッキング

慶應義塾卒・マンツーマン型塾講師3年の経験から受験生と就活生・若手社員に役立つ情報発信を目的としています。

小説「何者」から読み解く効率の良い就活①

今回は私の大好きな作家さんの一人である朝井リョウさん作品の「何者」を題材に、昨今の就活市場を分析してみたいと思います。

小説を解説していくというよりは、そこで出てくる人物や出来事を現在の就活市場に当てはめて、効率の良い就活をするにはどうするべきかを考えていくことが今回の趣旨になるので、ネタバレの心配は要りませんよ!

 

 

「何者」について

まずは今日のトピックの中心となる小説「何者」についてご紹介。

御山大学演劇サークルで脚本を書き、人を分析するのが得意な拓人。何も考えていないように見えて、着実に内定に近づいていく光太郎。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せる実直な瑞月。「意識高い系」だが、なかなか結果が出ない理香。就活はしないと宣言し、就活は決められたルールに乗るだけだと言いながら、焦りを隠せない隆良。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた22歳の大学生5人は、理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まる。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺などのさまざまなツールを駆使して就活に臨み、それぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就活に励む。SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が、それぞれの抱く思いを複雑に交錯し、人間関係は徐々に変化していく。やがて内定をもらった「裏切り者」が現れたとき、これまで抑えられていた妬みや本音が露になり、ようやく彼らは自分を見つめ直す。

何者 (朝井リョウ) - Wikipedia

 

 朝井さんの作品は、現代人のリアルな心理描写を描いてくれていて、いつも感嘆してしまいす。作品としてもお勧めできるのでぜひ大学生には読んでもらいたいですね。

何者 (新潮文庫) [ 朝井リョウ ]

価格:637円
(2017/12/30 17:35時点)
感想(13件)

 

 

主人公「拓人」のスペックはどう評価されるか

まずは拓人くんのスペック紹介。

主人公。社会学部。学生サークルで演劇の脚本を作っていたが、就職活動を機にやめる。観察能力が高く、細かなことに気が付く。(wikiより)

よく就活生で不安になるのが、学部の格差問題です。文系よりも理系が有利、社会系よりも経済学・法学部が有利と一般的には思われています。

 

これらの認識はあながち間違いとは言い切れません。確かに有名企業等いわゆる’就職偏差値’が高い企業に内定をもらう学生は、文学部・社会学部よりも経済学部の学生の方が多いという実感です。

ただこれらは学部での勉強が評価されないとか、はじめから色眼鏡でみられているとかっていうと、それは間違いになります。

ではなぜ、上記のような現象が起きてしまうのでしょうか。

理由は、就職面接で問われる一つの大事な能力に論理性を素早く見せつけられるかというものがあるからです(決して社会学系が論理性がないという主張ではなく、素早くというのが肝心です。)。素早く相手に論理性をプレゼンするには、数字を持ってくる・数学を用いるのが一つの効率的な手段です。

企業側もフェルミ推定やケース面接などでそのような能力を求めていますし。

多くの文系大学生は数学なんて高校生以来やっていないでしょう。ただ経済学部の学生は大学の授業でも数字を扱うことが多いので、その分数学的思考に慣れている、あるいは覚えている点で社会学系の学生より少し有利に働くのです。特に金融業界やコンサル業界など人一倍論理性を重要視する業界においては。

 

あと、この拓人くん、就職活動を機にサークルをやめるというのがよくないですね。企業としては、何か自分の強みや熱中しているものがある人を魅力的と評価します。一つの理由としては、基本的に文系学生は営業職の配属が一度はありますが、営業で大事なことは「いかに相手に覚えてもらえるか」です。自分の趣味でも、特技でも、相手に少しでも印象付けられるものを持っているとその点で有利に働くのです。せっかく演劇という特殊な経験を持っているのに、それをみずから手放してしまった拓人は効率の良い就活という観点からは悪手と言わざるを得ません。

 

意識高い系「理香」

二宮・神谷の部屋の上の階に住む大学生。外国語学部国際教育学科。留学生交流会で田名部と知り合い、宮本とは付き合って三週間ながら同棲している。米国留学を経験。就職活動に対する意識が高く、エントリーシート記入、模擬面接、OB訪問に余念がない。毎日のできごとをポジティブな言葉で脚色したツイートを慣習的に行う。(wikiより)

まずは留学経験について。今時留学経験をしている学生なんて腐るほどいます。フィリピンへの語学留学なんかは十分アルバイトで稼いだお金で行けますしね。英語だけで切る学生というのは、あまり魅力的ではありません。また、留学組は同じく留学組との対決になります。企業も年に一度の新卒採用ですから、リスクを下げるべく、採用のポートフォリオを考えます。なるべくダイバーシティ豊かに人材を採用します。なので人事のポートフォリオの中の一枚の手札「留学組」のなかに生き残るには、ライバルはそこら辺の非留学経験者ではなく、同じような留学経験者となるわけです。

英語だけできる」学生ではなく、「英語も出来る」学生を目指してください。

 

あと模擬面接とかは意味ないです。他人からのフィードバックなんて結局自分で行かせないですからね。大切なのは、自分からの気づきです、自分の面接を動画にとって自分で見返したり、他人の面接を見て、気づいた点を自分い応用したりするのは効果的でしょうが、キャリアセンターとかいって面接ごっこやりましょう的なのは非効率的なので止めましょう。

 

OB訪問について。

これは大事です。意識高い系がやることでしょとかってバカにせずに、やりましょう。いろいろな業界をバイアスなしで話を聞けるのはこれが最初で最期の機会です。別にアルバイトとかサークルとかでつてがなくても、今はいい就活ツールがたくさんありますので。僕がお勧めするのは下記の2ツールですね。どちらもビズリーチ主催ですが、ビズリーチは本当にいいものを提供してくれます。僕も転職サイトとして使っているのはビズリーチです。