現代を生き抜くための仕事術ハッキング

慶應義塾卒・マンツーマン型塾講師3年の経験から受験生と就活生・若手社員に役立つ情報発信を目的としています。

外資系企業志望学生必見:フェルミ推定対策

フェルミ推定」この言葉をあなたは知っていますか。すでにインターンやOB訪問などでその存在を知っている方もいると思いますが、今回は、外資系企業特にコンサルティングファーム投資銀行を志望している方に向けて、フェルミ推定の概要とその対策を綴ります。

 

 

 

フェルミ推定とは

フェルミ推定とは「実際に調査することが難しいような捉えどころない量を、幾つかの手がかりを元に論理的に推論し、短時間で概算することを指す」(フェルミ推定 - Wikipedia)とwikiにはあります。就活に限ってもう少し砕けた表現をすると、学生では知りようのない数字を、自分の既存の知識をつかっていかに論理的に導けるかを試す面接と言えるでしょう。

例えば

・あるスターバックスの店舗は1日にいくら売上を出すでしょう?

・新幹線の中でコーヒーは何杯売れるでしょう?

といったものが、フェルミ推定の問題として面接で聞かれたりします。その場で初めてこういった類の質問をされてもほとんどの人は解けませんので、ある程度対策はしておかなければなりません。

 

何を測る面接なのか

フェルミ対策をする上で、まず大事なのはこれがどのような能力を測るために出題されるのか、いわばゲームのルールを理解することです。

フェルミ推定の出題者は、最終的な結論の数値が一致することを望んでいるわけではありません。先ほどの例で言えば、スターバックスの売上を正確に言い当てることができたから合格!とはなりません。例えば正解が200万円だったとします。

学生①:うーん。。ぜんぜんわかんないけど、だいたい200万くらいじゃない?感覚的に

学生②:スタバのビジネスってそもそもコーヒー売る商売だよなー。そしたら、スタバの売上=(お客さん一人がいくらでコーヒ買ってくれるか)×(1日の客数)てなるよな。コーヒー一杯の値段はどこのスタバも一緒だけど、客数はどこの店舗かによってだいぶ違うはずだぞ。・・・あ、時間きちゃったからとりあえずここまで面接官に説明するか。

この二人の学生なら当然学生②の方が面接に受かる確率が高いです。もちろん時間切れで結論が出ていないという致命的なミスを犯していますが、それでも学生①よりはるかにマシです。

ここまででわかるように、フェルミ推定はその答えに至るまでの道筋がいかに論理的に、人に説明して納得してもらえるような考え方ができるかを判別するために課されています。記述式の数学問題をイメージしてください。答えだけ書いても点数はもらえないけど、最後の答えが間違っていても途中の考え方が美しければ合格点はもらえるよということです。

外コンで実際に出されたフェルミ推定

私が内定を頂いた某外資コンサルティングファーム実際に出題されたフェルミ推定をご紹介いたします。

「1年間の日本の転職者の数を推定せよ」

アプローチの仕方は色々ありますが、大事なのは自分なりに数式に落とし込むことです。例えば転職者数=総労働人口×転職率と落とし込みます。総労働人口は簡単そうですね(下記対策本参照ください)。では、転職率はどうでしょうか。ここの率の次第で結果が決まってしまいます。ここをもう少し正確にだすために、セグメント分をしてもいいでしょう。例えば若手は第二新卒などそもそも転職のハードルが低いけど、40代50代は家庭を持ってる人も多いだろうし、それなりの役職にもついてるだろうから、転職のインセンティブがある人は少ないかもしれない。そしたら30歳未満と30歳以上の2パターンに場合分けして計算していこう・・・と思考していくわけです。

場合分けで大事なのは、「もれなくだぶりなく」です。数学の問題と一緒で、そもそも場合分け仕切れていないとなると、論理がそこで破綻してしまいます。たとえばxが正の数のとき、負の数の時に場合分けして考えると記述してもx=0の場合を想定していないと大きく減点されてしまいますよね。

「だぶりなく」は、たとえば20代の若者と30歳以下の女性でセグメント分けすると、20から30歳の女性が重複してしまいます。

これらに気をつけてロジカルに回答を導きましょう。

 

フェルミ対策

フェルミ推定はたくさん練習したからそれに比例してどんどんうまくなるものでもありません。またたいていの場合各企業の初期段階の面接で課されますので、頓珍漢な回答さえしなければ通過できます。ここに必要以上の時間を割くよりも、その次のパートナー面接やスーパーデイ対策に時間を割いた方がいい戦略です。

とはいうものの、全く対策をしないとさすがに落ちますので、私は下記の本を一冊買って読みました。

 この本には、かなりの量の例題が載っており、かつ必要最低限おさえておかなければならない基礎事項が網羅されています。例えば年齢別の人口比率とか。

この本を早めに読んでおけば、ある程度フェルミ推定にも立ち向かえるようになっているでしょう。

間違っても、友達同士で問題出し合ってディスカッションするみたいな、「何者」的なことはやめましょう。時間の無駄です。 

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)