現代を生き抜くための仕事術ハッキング

慶應義塾卒・マンツーマン型塾講師3年の経験から受験生と就活生・若手社員に役立つ情報発信を目的としています。

若手社員が話題の仮想通貨について貨幣の意義から課題を考えてみるよ!

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昨今何かと話題の仮想通貨。ブロックチェーン技術を利用した決済システムを軸にBitcoinを中心に様々な通貨が暴騰を繰り返している。仮想通貨自体や投資対象としての考え方は巷に溢れているので、今回は就職活動の時事問題として問われるであろう「仮想通貨の今後の行方はどうなるか?」という質問に対して一つの切り口を紹介したい。

もちろん、”今後の行方”など誰にもわからない。Bitcoin自体先行者優位そのものであり、他の仮想通貨と比べシステム的に優れているわけでもないのだが、大手取引所のチャートを覗いてみると(簡単安心!ビットコイン取引所 coincheck時価総額は圧倒的に一位を保持している。

しかし、就活で大事なのは正解をいうことではなく、解を導くまでの論理や切り口である。今回の記事に書く内容も”正解”にはほどといのかもしれないが、思考のきっかけを作れるようにしたいと思う。

 

 

お金はなぜ広まったのか?

一般的に金が現代社会に広まったのには大きくわけて三つの要因があると言われている。価値尺度機能・交換機能・保存機能の三つである。

 

価値尺度機能とは

その名の通り財やサービスの価値を測るものさしの役割を果たす。これはよくよく考えるとものすごくありがたいことで、例えばりんご一個の価値というのは人によって様々である。大好物という人もいれば苦手な人もいるだろう。しかしながら、そのぼんやりとした食べたいとか食べたくないとかいう曖昧な感情の大きさは細部まで言葉で表現することができない。ところがりんご一個に100円という値札をつけることによって、自分の好き嫌いの感情(選好)から「これはお得である」とか「割高である」とか判断を可能にするのである。しかもそれを世界共通に。

 

交換機能とは?

ヒト社会はもともと物物交換で成り立っていた。海辺に住むものが貝を集める代わりに、山に住むものが木の実を集めそれらを交換していた。しかし財の種類が増え、人口も増加していくと物々交換が危うくなってくる。次にサービスが商品として発達すると、いよいよ物物交換での対応は難しくなる。肩もみ1000回やるから、君がもってるりんごを頂戴ということは可能かもしれないが、ファイナンシャルアドバイザリーのフィーとして君の報酬の3%頂戴ねなんていうのは、お金の交換機能がないともう判断不能である。

貨幣が流通したのはここの要因が大きく、人類が貨幣を発明しそれが流通したのは偶然ではなく、必然であったのである。人口と財の種類が増えるといかに物々交換よりも貨幣の交換が効率がよいのかをわかりやすく論じている大西広の著書は経済学部または経済に興味が有るものであれば一度はご愛読願いたい。

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価値保存機能とは?

最後のキーは保存機能である。

物々交換の時代、例えば自分の財産はりんごであった場合、りんごが腐る前に物々交換を完了させないと、自分の富がゼロになってしまう。時間の経過=富の消費あるいは劣化とでも言えようか。しかし貨幣の登場によって富は消費しない限り減らないという消費期限の打ち消しを成すことができた。

このことは現代人の思考にかなり影響を与えており、ボーナスがでたら貯蓄しようなどと言えるのは、まさしく価値保存機能があるからの発言なのである。

 

仮想通貨から見た3機能

さて、いよいよ本題である。

ではこの3機能は仮想通貨に照らし合わせるとどうであろうか。

まずは尺度機能。仮想通貨の相場は必ず円やドルといった国家の通貨と比べて論じられる。昔金本位制として、金の保有量を基本に通貨の価値を決めたように、今は国家の基軸通貨を基本に仮想通貨の価値が決まっている。鶏が先か卵が先かの違いで、仮想通貨は十分に尺度機能を果たせるように感じる。

 

次に交換機能。これは今後の体制変化次第である。ビックカメラが全店でBitcoin決済に対応しているのは有名だが、近所の喫茶店などではまだまだ仮想通貨の決済が出来ない。決済が出来なければ通貨の意義がないので、今後どれほど仮想通貨対応のお店が増えるのかに注目されたい。今では駅の改札でスイカのみ対応の改札があるように、数年後には現金お断り仮想通貨のみ対応のお店ができてもおかしくはない。

 

保存機能はまだまだ大変である。まず通貨としての価値が定まっておらずボラティリティが高すぎる。一ヶ月で数倍になっていることもあり、富を貯蔵できるとは言い難い。これがイニシャルで起きている現象だからなのか、今後もずっと乱高下が続くのかはわからない。国家製造の通貨であれば、金融政策で通貨量をコントロールできるが、仮想通貨は後ろ盾がなくP2Pであり、マイニングとよばれる行為が貨幣製造にあたる。仮想通貨のホワイトペーパーにはあらかじめ埋蔵量が決められているため無限に通貨量が増えることはないが、1マイニングあたりにかかるコストが増加すれば、限度量に到達する前にマイニングする人すなわちマイナーがいなくなり、ブロックチェーンに決済記録をつなげてくれる人がいなくなるかもしれない。保存機能の観点から見れば、不安だらけなのである。

 

就活生なら入金せずとも口座を持つべし

本記事は貨幣の持つ役割を見直すことで仮想通貨の課題点を検討してきた。

3つの機能のうち、尺度機能と交換機能は比較的担えそうだが、保存機能がいまいち不安が残る。ただ本来ブロックチェーン技術は保存という行為に最大のメリットを発揮するはずなので、今後この機能をどう仮想通貨がカバーしていくかが将来のマーケットに影響すると思われる。

 

と、就活の面接で仮想通貨に関して聞かれたら、上述のくだりをかいつまんで話せば、マイナスにはならないはずである。

また、実際に入金してお金を動かす必要はないが、口座を開き、市況の変化や盛り上がり具合、まさに異様なバブルをまじかで見ておくのは、貴重な経験になるかも知れない。口座を開くなら、扱っている仮想通貨の種類が多く、かつ大手取引所であるコインチェックがお勧めである。

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