現代を生き抜くための仕事術ハッキング

慶應義塾卒・マンツーマン型塾講師3年の経験から受験生と就活生・若手社員に役立つ情報発信を目的としています。

【大学生必読】沢木耕太郎の深夜特急を読んだらいつの間にか不動産会社に就職してた話

今日は本の紹介をさせてください。私の大好きな本、沢木耕太郎さんの「深夜特急についてです。この本はバックパッカーのバイブルとして多くの旅行者の間で必読書の扱いになっています。深夜特急は沢木さん自身が、香港を出発点にロンドンまで陸路で進む旅行記です。文庫版で全6巻のシリーズですが、前半は旅行そのもの、その国の文化や食べ物に、そして徐々に内面的な描写が多くなっていくのが特徴です。私は大学の先輩にお勧めされてこの本に出合いましたが、社会人になった今でも一年に一回は読み直しています。日常のいろいろなプレッシャーや漠然とした不安に心が疲れてしまったとき、この本を読んで世界の広さについて耽ることにしています。

 

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感想(2件)

 

著者の紹介

1947年、東京生れ。横浜国大卒業。『若き実力者たち』でルポライターとしてデビューし、1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、1985年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。1986年から刊行が始まった『深夜特急』三部作では、1993年、JTB紀行文学賞を受賞した。ノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表、2000年には初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を、2014年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を、2023年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞。ノンフィクション分野の作品の集大成として「沢木耕太郎ノンフィクション」が刊行されている。

沢木耕太郎 | 著者プロフィール | 新潮社

最近は深夜特急のAudible発売を記念して斎藤工さんとの対談がなされているようです。

 

深夜特急のあらすじ

「かつてシルクロードがあったのならば、現代ならバスぐらい通っているだろう」と考えて、詳細な計画は立てずに勢いで日本を飛び出した主人公「私」の物語であり、筆者自身の旅行体験に基づいている。ただし、朝鮮民主主義人民共和国中華人民共和国ミャンマーなどは旅行当時入国や隣国への陸路での出国が難しかったので、起点はインドデリーとし、終点をイギリスロンドンとして路線バスなどの乗り合いバスだけを乗り継いで行くことにした。

当初は日本からデリーまで直行してしまうつもりだったが、途中2か所のストップオーバーが認められる航空券を手にした「私」は香港タイバンコクを選び、道中様々な人々と事件に出会いながら、約一年をかけてロンドンを目指すことになる。

ja.wikipedia.org

私が何よりもまず衝撃を受けたのは、小説冒頭のこの一節です。

ある朝、目を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ

この一文を見たとき、雷に打たれたましたね笑

ちょうどモラトリアムに浸った大学生という名のニートの私。何か大きなことをしたと思いながら、毎日怠惰な生活をしている自己矛盾。そしてその矛盾からくる不安と焦り。毎日のようにだべってお酒飲んで騒いで二日酔いになった級友たち、実はちゃっかり人生すごろくを進めているのを知りつつ、見て見ぬふりをしている自分のふがいなさ。そんなじめっとした感情を毎日抱いていた僕。まさにNow is the time to take action!

 

深夜特急に憧れて東南アジアへのバックパッキングから見つけた新たな人生

ここからは僕の話。僕は冗談抜きにこの本を読んだことでその後の人生が大きく変わりました。

僕はある日、先輩から「深夜特急」という小説を勧められました。まあ暇だし読んでみるかとブックオフでぼろぼろの1巻かってベッドに寝そべりながら読む。するとどうだ、自分の知らない世界に引き込まれ、全6巻を一気に読んでしまったではないか。僕も同じように未知の冒険に挑戦したい。

今まで目的もなく=つまり働く意味もあまりないのに、世間体のためにしていたアルバイト。次の日から労働の目的ができた。仕事を頑張り、貯めたお金で東南アジアをバックパッキングする。幸いにも世間的には高学歴といわれている大学の学生であった僕は、自給の高い塾講師のアルバイトをすることで、貧乏旅行には十分な資金はすぐにためることができた。

夏休み、いざアジアへ。初めての海外、初めての一人旅行。不安だらけだけど、なぜか不安は感じていない。それよりもはやく新しい大陸の土地を踏みしめたかった。こんな感情はいつぶりだろうか。いや初めてだ。

空港の玄関をでると、なんともいえないにおい。聞きなれない言語にクラクションの嵐。物語の主人公にでもなったみたいだ。

そのたびではベトナム、タイ、シンガポール、香港と移動した。

短いバックパックだったけど、アジアの熱気を感じるには十分だった。次はアジアで長期の生活してみたいという目標を抱くようになった。

私が選んだのはフィリピンだ。よくわからないけどなぜかピンときた。フィリピンでの生活は、私にとって人生を大きく変えるものだった。経済成長著しい東南アジアの国。その中で不動産がどれだけ重要な役割を果たしているかという事実に気づいた。高層ビルが次々と建設される一方で、一般の人々が住む家はボロボロのフラットという現実。不動産が人々の生活に及ぼす影響に驚き、興味深さを感じた。

というような話を就活の時に話したら、不動産会社に入れました。

きっかけは小説でも、こうして内定がもらえるような話につながるものです。

 

フィリピンでの経験はこちらに書いていますので、よければ。

 

startingles.hatenablog.com