現代を生き抜くための仕事術ハッキング

慶應義塾卒・マンツーマン型塾講師3年の経験から受験生と就活生・若手社員に役立つ情報発信を目的としています。

受験科目としての国語戦略

どのような勉強をしたらよいのか、いまいちピンとこない人も多い「国語」という科目の受験戦略についてご紹介いたします。

 

 

 

センター試験での国語の重要性

よく生徒から「国語なんて勉強しなくても余裕」とかって声が聞こえてきますが、それはとんでもない発言です。なぜなら私は国語こそが試験で一番難しい科目と思っているからです。

例えばセンター利用で早稲田大学に合格したい場合、学部にもよりますが全科目合計で9割程度は取らないといけません。国語の場合200点満点ですから、9割というと20点分しか落とせない計算になります。しかしながら、国語の問題は1問の配点が大きく、中には8点問題もあります。大問は4つ、順に評論文・小説・古文・漢文となりますが、各大問でこの8点問題(大体は解釈問題)を一つずつ落としただけで、目標の180点には届きません。

英語、数学などその他の科目はやり込めば9割を常に維持できるようになりますが、ことさら国語に関してはそれが難しいのです。

 

長期スパンでの戦略

この段落では、早い段階で受験を意識し、本番まで1年以上余裕がある方へのメッセージとなります。

逆説的になりますが、国語は後回しで大丈夫です。というのも、英語や数学と違い、やればやるだけ点数が上がる保証がある科目ではありません。どんなに普段国語が得意な人でも、本番で出題された文章が自分と全く合わなくて大事故発生・・・というのも珍しくはない科目です。まずは英語数学、理系なら理科、文系なら社会の第一選択を仕上げていきましょう。

ただし、週に一回国語を勉強する日を設定しましょう。その日は主に評論文の要約を練習してください。理由は

①多くの私立大学、国立大学で評論文が出題される一方で、小説は大学によってまちまちです。センター試験にしか反映されない科目をコツコツ努力してもリターンが少ないので小説は後回しでよいため。

②数ページにもわたる文章を短い文章で要約するためには、完璧の文章の構造と主張を完全に把握する必要があります。またどのエッセンスを抜き出すか理解するために、抽象→具体の流れを意識しなければならず、要約を通して自然とその練習ができるからです。

③他人の文章構造を読み取る練習をすることで、どの部分がその人の文章をわかりにくくしてしまっているのか、逆に説明足らずなのかに気づけ、自分で文章を書く際、具体的には慶應の小論文対策にもつながるからです。

ただ決して塾に通う必要はありません。週に一回程度ですから学校の先生に添削をお願いしてください。実際の問題としては一橋大学の過去問が最適ですが、一橋志望の方は、ここで消費するのはもったいないので、一橋大学の模試過去問など使って要約を練習してください。目安は200字です。

 

一橋大の国語15カ年[第2版] (難関校過去問シリーズ)

一橋大の国語15カ年[第2版] (難関校過去問シリーズ)

 

 

 

 

古文漢文の勉強は2週間で終わらせろ!

これまでは、現代文について言及してきましたが、ここからは古文漢文の戦略に移ります。

古文漢文はできるだけ早い段階に、それも短期間で終わらせるべきです。古文漢文は暗記科目です。助動詞を含めても古文で覚えるべき単語は多く見積もって300単語、漢文は句形と重要漢字を150個程度覚えるのみです。合計450単語。英語は単語帳だけでも2000単語あります。5分の1以下です。2週間で終わります。瞬殺してください。

もう一つ真面目な理由があります。繰り返しますが、古文漢文は核となる暗記事項がきちんと頭にないと問題が解けないので、模試などの問題演習が無駄になってしまうのです。例えば、まだ古文漢文の勉強に手をつけていない生徒が模試を受けた時に、間違った問題を復習しようにも、どの問題もできなかった理由は同じで「まだ覚えてなかったから」で終わってしまいます。

一方、早い段階で基礎事項の暗記は済ませている生徒は、模試の復習時に「一度覚えたはずだけど、忘れてしまった。ここは自分の中で忘れやすい箇所だからノートにまとめておこう」「単語の意味自体は全部覚えてたのに問題を間違えてしまった→特殊な意味になる文法に気づけなかった」など様々な角度から有意義な復習ができるのです。

 

まとめ

今回は国語という科目の特性とそれを理解した上での受験戦略を述べました。今後はセンター試験にフォーカスした記事やおすすめの古文単語帳、慶應小論文対策なども書けたらと思います。